不動産売買仲介の体験談1

 先日、お付き合いさせていただいているお客様から「知人が家を売りたいと言っているので、ぜひ相談にのってほしい」とご紹介をいただきました。場所は和歌山市内の戸建住宅。ご相談を受けて現地を確認したところ、前面道路が建築基準法上の道路に該当しないため、いわゆる“再建築不可物件”であることがわかりました。

 不動産業界ではよく知られていることですが、再建築不可物件は市場での評価が低く、買い手がなかなか見つかりにくいのが現実です。住宅ローンが使えないケースが多く、購入される方は現金での取引が基本となるため、売却までに時間がかかることも少なくありません。私自身も「これは少し長期戦になるかもしれない」と正直身構えておりました。

 しかし、お客様の大切な資産ですから、できる限り条件に合う方を探そうと早速動き出しました。物件の状態や立地条件、そして「再建築はできないが現状の建物をリフォームすればまだまだ使える」という点を丁寧に整理し、購入希望者にしっかりと伝えられるよう工夫しました。

 その結果、思っていた以上に早く、購入を前向きに検討してくださる方と出会うことができました。購入者様は「立地が気に入った」「再建築ができなくても今の建物を活かせば十分住める」と前向きに考えてくださり、スムーズに売買契約へと進みました。売主様も「こんなに早く決まるなんて」と驚かれつつ、大変喜んでいただきました。

 今回の出来事を通じて改めて感じたのは、「不動産にはそれぞれに合う買い手が必ずいる」ということです。一般的には難しいとされる条件の物件でも、求める方にとっては大きな価値を持ちます。そして、その橋渡しをするのが私たち不動産業者の大切な役割だと実感しました。

 また、ご紹介いただいたお客様とのご縁があったからこそ、今回のご成約に繋がったとも思います。信頼関係があってこそ大切な知人をご紹介いただける、そのご期待に応えられたことが何より嬉しく、今後の励みにもなりました。

「再建築不可だから売れないだろう」と諦めてしまう前に、まずは一度ご相談いただければと思います。条件の厳しい不動産でも、活かし方や伝え方次第で思いがけない早さで売却が決まることもあります。これからもお客様一人ひとりに寄り添い、最適なご提案をしていきたいと思います。

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